バリ島が外国人投資家に「簡単な」KBLIを閉ざす:現状と今後

2026年5月26日時点の状況です。Legal Indonesiaによる規制状況の点検です。

バリ島のPT PMAが「簡単な」KBLI、すなわち経営コンサルティング、ヴィラ、レンタル、カフェ・レストラン、旅行代理店、フィットネスのいずれかで登記されているなら、この記事はお役に立つはずです。バリ島の外国人投資家に対して、すでに1つのKBLIが閉ざされました。
さらに6つが順番待ちの状態です。そして電子登記システムOSSは、2026年5月時点の法律系ポータルの情報によれば、省の最終的な通達を待たずに、バリ島の住所を持つ外国人からの「簡単な」区分での新規申請をすでに却下しています。

これは弊社のKBLI 2025への移行に関する記事の続きです。ただし今回のテーマはコードの技術的な移行ではなく、バリ島がインドネシアで初めて、外国人を対象とした地域単位でのKBLI閉鎖に踏み出したという点です。

何が起きたのか — 簡単な経緯

2026年1月28日。バリ州知事Wayan Kosterが投資省(BKPM)に「至急」と付した公式書簡を送付しました。その内容は次のとおりです。

  • 2021〜2025年にバリ島で19,262件の外国企業の登記が行われた。これは全国の約40%にあたる。

  • 55,458件のプロジェクトのうちほぼ半数が低リスク区分で、事業登録番号(NIB)だけで足り、追加の証明書を必要としない。

  • これらのコードが、実際の事業活動も投資もないまま、外国人が在留資格を得るための「簡単な入り口」として使われている。

書簡には9つのKBLIが列挙され、あわせてバリ島内でのバーチャルオフィスによる外国企業の登記を禁止するよう求められていました。

2026年2月9日。I Ketut Sukra Negaraが率いるバリ州投資・ワンストップサービス局(DPMPTSP)が、正式に省へ申請を行いました。この時点でリストは7つのKBLIに絞られ、小売業のコードが外れ、カフェ・レストラン、娯楽施設、フィットネスが加えられました。

2026年2月〜3月。バリ州議会(DPRD)がこの取り組みを支持し、省は予備的な「ゴーサイン」を出しました。

2026年2月末。最初の承認です。KBLI 70209(経営コンサルティング)が、バリ島の新規の外国企業に対して正式に閉鎖されました。

2026年3月〜5月。OSSは実務上、バリ島の住所を持つ外国企業の登記申請を、幅広い「簡単な」KBLIについて却下し始めました。法務コンサルタントの情報によれば、バリ島のクライアントには自動的な却下が届いています。

省の情報によると、登記されたKBLIと実際の事業が一致しないことを理由に、2025〜2026年にバリ島の423社が制裁を受けました。

7つのKBLI:閉鎖済みと審査中

KBLI

事業内容

2026年5月26日時点の状況

70209

経営コンサルティング

新規申請は閉鎖

68111

不動産(保有・賃貸)

審査中

79110

旅行代理店

審査中

77100

自動車・バイクのレンタル

審査中

56100

カフェ・レストラン

審査中

93290

娯楽施設

審査中

93130

フィットネスクラブ

審査中

重要な点として、「審査中」のコードについても、OSSはバリ島の住所での新規登記を事実上すでに却下しています。知事の書簡が、最終的な通達を待たずに実務上の根拠として用いられています。

あわせて検討されている4つの追加措置

省は知事の要請を検討するなかで、4つの追加措置を提案しました。5月26日時点でいずれも個別の通達として制度化されていませんが、当局はすでに適用を示唆しています。

  1. 違反が繰り返されているKBLIについて、外国企業の登記を一時停止すること。

  2. バリ島の外国企業について、バーチャルオフィスを登記上の住所とすることを禁止すること。

  3. バリ島で事業を行う外国企業に限り、払込資本金100億ルピアを義務づけること。

  4. 商業活動の開始前に適合性に関する書類を求めること。

とくに重要なのがバーチャルオフィスに関する項目です。バリ島で外国企業を設立し、バーチャルオフィスを登記上の住所にしようと考えていた方にとって、この道は閉じつつあります。バリ州の当局はすでに、バーチャルオフィスの住所によるKBLI 70209の申請を却下しており、他のコードについても個別に却下しています。

既存の外国企業にとっての意味

すでにこれら7つのKBLIのいずれかで登記している場合は次のとおりです。

登記(NIB)は維持されます。現在のライセンスも有効なままです。稼働中の会社から強制的に許可が取り上げられることはありません。

何らかの変更を行う際には、コードの見直しが必要になります。設立書類や取締役・コミサリスの構成の変更、事業内容の拡大、新しいKBLIの追加を行う場合、コードの見直しが求められます。その時点で現在のKBLIが閉鎖されていれば、同じコードに戻ることはできません。

適合性がとくに厳しく見られます。コードと実態の不一致を理由に、すでに423社が制裁を受けています。実際の事業が登記された内容より広い場合、真っ先に検査の対象となり得ます。

取締役のKITAS。OSS、AHU(法務省)、イミグレーションのデータ連携は、かつてないほど緊密になっています。登記された事業内容と実態のずれは、次回のKITASの更新時に表面化する可能性があります。

バーチャルオフィス。バーチャルオフィスを利用している場合は、今のうちに実際の住所への移行を計画したほうがよいでしょう。とくに1年以内にOSSや法務省での更新が予定されている場合はなおさらです。

これから進出する投資家にとっての意味

これからバリ島で外国企業の設立を計画している場合は次のとおりです。

  • 投資家向けKITASを得るための「簡単な入り口」としてのKBLI 70209は、もう機能しません。申請は自動的に却下されます。

  • 残り6つのコードについては形式上まだ登記は可能ですが、OSSはすでに個別に却下しています。手続きが数か月に及ぶか、却下されるリスクが高い状況です。

  • バーチャルオフィスでの登記はリスクを伴います。6〜12か月を超えてバーチャルオフィスで事業を続ける計画であれば、体制を見直したほうがよいでしょう。

  • 100億ルピアの資本金は、バリ島に限った義務としてはまだ正式に導入されていませんが、省で検討されています。資金計画には今から織り込んでおくのが賢明です。

実務上の意味はこうです。「コンサルティングでバリ島に外国企業をつくり、バーチャルオフィスに置いて、投資家KITASを取る」という計画であれば、その道は閉じています。ビジネスモデルを変える(実際の事業所を持ち、実態に合ったKBLIで運営する)か、別の区分のKITAS、たとえばリモートワーカー向け(E33G)家族向け(E31)などを検討する必要があります。

通常の規制変更と何が違うのか

  1. これは全国的な措置ではなく、地域の取り組みです。ジャカルタ、スラバヤ、バタムでは同じKBLIがこれまでどおり機能します。閉鎖の対象はバリ州だけです。地域が自らの地域でのKBLI閉鎖を実現させたのは、インドネシアで初めてのことです。

  2. 実務が法令に先行しています。OSSは正式な通達が出る前に、事実上、知事の書簡を根拠として申請を却下しています。通常はあり得ないことで、中央がバリの主張を受け止め、厳しい措置に踏み切る用意があるという政治的な合図です。

  3. 並行して入国管理の摘発も強化されています(特別チームDharma Dewataにより、2026年5月までに165人が国外退去)。つまりKBLIの閉鎖は「偽の外国企業と不法就労の旅行者」に対する一体の政策の一部であって、単発の措置ではありません。

2026年6月18日までのチェックリスト

  • OSSで現在のKBLI(正確な名称とコード)を確認する。

  • 閉鎖済みおよび審査中のリスト(上の表)と照合する。

  • 自社のコードがリストにある場合は、実際の事業が登記内容とどれだけ一致しているかを確認する。

  • バーチャルオフィスを使っている場合は、実際の住所への移行を計画する。

  • KBLI 2025への移行の期日を確認する。期限は2026年6月18日で、今回の閉鎖の件とは関係なく適用されます。

  • 現在のライセンスは、必要がなければ触らないこと。今の時点で設立書類や事業内容を変更することは、新しいルールの適用を受けることを意味します。

  • KITASの更新は前倒しで計画してください。取締役のKITASが夏に切れるなら、まだ手続きが通る今のうちに更新を。

よくあるご質問

2023年から70209で会社を運営しています。何をすべきですか。

急いで対応すべきことはありません。登記もライセンスも有効です。弁護士に相談するまでは、設立書類と事業内容の変更を行わないでください。KITASの定期更新の際は、OSSがどう判断するかを確認する必要があるため、早めにご相談ください。

68111で登記手続きの途中です。どうすればよいですか。

OSSでの申請の現在の状況を、担当の代行業者にご確認ください。まだ承認されておらず、住所がバーチャルオフィスであれば、却下のリスクが高い状況です。対象外のKBLIへの変更か、住所の変更をご検討ください。

7つのKBLIがすべて閉鎖されたら、外国人はバリ島で何ができますか。

多くのことができます。製造業(実際の工場を伴うもの)、IT開発、教育、医療サービス、輸出、建設、エンジニアリング、農業などは開かれており、多くは「簡単な」区分には入りません。今回の閉鎖が狙っているのは「KITASのための偽の会社」であって、実際の事業ではありません。

投資家KITASをこの会社を根拠に取得しています。有効なままですか。

はい、現在のKITASは期限まで有効です。ただし更新の際には、会社の実際の活動について追加の質問を受ける可能性があります。契約書、請求書、税務申告など、事業の実態を示す資料を準備しておいてください。

正式な文書はいつ出ますか。

KBLI 70209についてはすでに省が承認済みです。残り6つについては「今後数か月のうちに」とされています。バーチャルオフィスと100億ルピアの資本金については、具体的な時期は示されていません。

弊社にできること

Legal Indonesiaは、対象となるすべての区分について、外国企業のKBLIの点検と適合性の確認を行っています。具体的には次のとおりです。

  • 現在のKBLIが実際の事業内容に合っているかを確認します。

  • バリ島の新しいリストと照合し、閉鎖の対象に当たるかを確認します。

  • 現在のコードが安全でなくなる場合、代替となるKBLIを検討します。

  • 事業を止めることなく、バーチャルオフィスから実際の住所へ移行する手続きを準備します。

  • 新しいOSSのルールのもとでのKITASの更新をサポートします。

    相談を予約する

こちらもおすすめ