インドネシアのビザ規則:守るべき理由と違反者が負うリスク

インドネシアのビザ規則:守るべき理由と違反者が負うリスク

「国外退去で済むと思わないでください。刑事事件として立件していきます」。2026年夏、インドネシア入国管理のトップは、ビザ制度に違反する外国人への新しい姿勢をこう表現しました。

少し前までバリ島は、形式的な手続きには目をつぶれる場所のように見えていました。いまその誤りの代償は変わりました。金銭、国外退去、入国禁止、そして重い場合には拘禁刑です。

弊社には毎日、「このビザで働いてもよいか」「2週間ほど滞在が延びたらどうなるか」といったご質問が届きます。以下では、いまどういう状況で、何がリスクになり、どう対応すべきかを順に整理します。

ビザで認められるのは、その根拠に書かれていることだけ

状況。インドネシアではビザと滞在許可のそれぞれが渡航の目的に結び付いています。観光、国内で収入を得ないビジネスの面談、就労、投資、家族の帯同、就学です。万能のビザは存在しません。

ですから重要な問いは「ビザを持っているか」ではなく、「そのビザは自分がしていることを認めているか」です。入国管理法は、交付された滞在許可の目的に合わない活動を行った外国人を直接処罰します。

対応。ビザから考え始めるのではなく、自分の計画を正直に言葉にすることから始めてください。何をするのか、収入はどこから来るのか、どれだけ滞在するのか。ビザはその答えに合わせて選ぶもので、逆ではありません。現地で計画が変わるなら、ステータスもあわせて変える必要があります。

観光ビザ:就労は不可、無報酬でも同じ

状況。到着ビザ(Visa on Arrival、VOA/B1)や短期訪問の区分は、観光、休暇、友人の訪問のためのものです。これらで働くことはできません。リモートワークも「無報酬」の仕事も含みます。

直接の支払いがない活動であっても、商業的な利益を生むのであれば違反とみなされ得ます。当局自身が示した例があります。外国人のメイクアップアーティストが、SNS用の動画のためにモデルに無償でメイクを施しました。これは違反と認定されました。ポートフォリオと自らのサービスの宣伝という利益を得たからです。

入国管理は、訪問ビザと到着ビザに関する典型的な違反として、ほかにも次のものを公に挙げています。就労、定められた手続き(自国の在外公館の許可を含む)を経ない婚姻、そして超過滞在です。

監視はSNSも対象です。2026年7月、あるアメリカ国民がFacebookに土地の売却を持ちかける動画を投稿した後、入国管理に呼び出されました。このような仲介の活動は彼のビザの区分に含まれておらず、しかも当局の注意を引いたのは誰かの通報ではなく投稿そのものでした。

対応。ご自身の活動が何らかの形で利益を生むのであれば、口座にお金が入っていなくても観光ビザは適しません。リモートワークや長期の滞在には別の区分があります。撮影、コラボ、ボランティアのような判断の分かれる場合は、SNSへの最初の投稿の後ではなく、入国前に整理しておくことをおすすめします。

就労KITASと投資家KITAS:ここにも枠がある

状況。就労または投資家のKITAS(Kartu Izin Tinggal Terbatas、限定滞在許可証)は就労する権利を与えますが、記載された職位と会社の範囲に厳密に限られます。投資家KITASは自社への投資家として交付されるもので、どんな副業でもできる万能の許可になるわけではありません。

別の話として「グレー」な手口があります。偽造書類、架空の残高証明、書類を偽造する仲介業者を通じたビザの購入は、そのまま刑事事件につながります。2026年7月、入国管理は偽造書類で投資家ビザを取得したとされる外国人10人(パキスタン国民8人、イラク国民2人)を拘束しました。最長5年の拘禁刑が科され得ます。

対応。実際の役割がKITASに記載されたものと一致しているかを確認してください。これは会社にも当てはまります。従業員のステータスを手配する場合、書類上の職位は都合のよい表現ではなく実際の業務を反映していなければなりません。そして「何も聞かずにどんなビザでも」という申し出には応じないでください。仲介業者は姿を消し、事件はご自身に残ります。

超過滞在:小さな違反の中で最も高くつくもの

状況。超過滞在とは、ビザで認められた期間より長く国内に滞在することです。入国管理法により、60日未満の超過には1日あたり100万ルピアの制裁金が課されます。超過が60日以上になった場合、または制裁金が支払われない場合は、国外退去と入国禁止が適用されます。

期間は、自分が出国するつもりだった日付ではなく、許可の満了日から数える必要があります。

対応。いますぐ許可の満了日を確認し、最後の1週間ではなく前もってリマインダーを設定してください。延長には時間がかかり、数日の余裕では何も解決しません。すでに期限を過ぎている場合はただちにご相談ください。1日ごとに金額は増え、60日を過ぎれば問題は金銭から国外退去へと移ります。

国外退去、入国禁止、ブラックリスト

状況。国外退去とは外国人を強制的に国外に送り出すことで、入国管理法に基づく行政上の措置です。送還にかかる費用は、本人、その保証人、または家族の負担になります。

入国禁止(penangkalan、通称「cekal」)とは、その人物が名簿に登録され、インドネシアに入国できなくなることです。法律上の期間は最長6か月ですが、そのたびにさらに6か月まで延長され得ます。安全や秩序への脅威とみなされた場合、禁止は生涯にわたることもあります。

実務上、一時的な禁止であっても、戻れるようになるのは相当先になることが多いです。新たな審査や不許可が重なり、重い場合には道が完全に閉ざされます。2026年上半期、バリ島では168人の外国人が入国を拒否され、189人が国外退去となりました。

対応。これは争うより防ぐほうが簡単な種類の結果です。すでに違反があると分かっているなら、まだ国内にいて行政上の手続きで解決できるうちに対応してください。退去させられた後にインドネシアへの道を取り戻すのは目に見えて難しく、しかも誰も保証はしてくれません。

刑事責任:2026年の新しい重点

状況。かつて典型的な帰結は国外退去でした。いま当局は、刑事訴追への移行を明言しています。

入国管理法は次のように定めています。滞在許可を意図的に目的外に使用した外国人、たとえば観光ビザで働いた者は、5年以下の拘禁および5億ルピア以下の制裁金に処されます。

監視は強まっています。当局は観光地で摘発を行い、SNSも追っているため、仕事についての投稿がそのまま証拠になります。当局のデータでは、2026年上半期、バリ島で531件の違反が確認され、136人が一時収容施設に収容され、38人が滞在許可を失いました。

対応。ご自身の公開された活動は、確認する側から見えているという前提で考えてください。SNSで見せているものがビザの目的と一致していないなら、問題は気づかれるかどうかではなく、いつ気づかれるかです。ステータスを整えるのは、関心を持たれる前のほうがよいのです。

適法な状態を保つために

規則は変わりますが、考え方は単純です。ビザは、実際にしていることと一致していなければなりません。弊社はこれをいくつかの確認項目にまとめています。

  • 本当の目的に合ったビザ。 働く、あるいは事業を行う予定なら、より安価な観光ビザではなく就労または投資家のKITASを取得してください。

  • 期限の管理。 滞在の延長は前もって行い、超過滞在に至らせないでください。

  • 手続きの透明性。 通常より簡単で早いという申し出があれば、どの根拠でビザが取得され、自分の名前でどの書類が提出されるのかを確認したほうがよいでしょう。

  • リモートワークと長期滞在には個別の区分があります。 これはご自身の状況に合わせて前もって選ぶべきものです。

  • 判断の分かれる場合は、活動を始める前に。リモートワーク、撮影、ボランティア、長期の滞在は、入国後ではなく入国前にステータスを確認しておくほうがよいでしょう。

  • 会社の方へ: 職位と書類の一致。従業員のKITASをスポンサーする場合、記載された職位と会社が実際の業務を反映しているかにご注意ください。

ご自身のビザが予定している活動に合っているか分からない、あるいはリスクなく滞在を延長したいという方は、ぜひご連絡ください。バリ島の弊社チームが、適切な形の選定と適法な書類の手続きをお手伝いします。

Legal Indonesia ビザ部門責任者
Alvia Nur Aliyah

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