AIがビザを誤るとき:2025〜2026年の3つの事例

弊社Legal Indonesiaでは日常的にお客様のビザ相談を受けており、ある同じパターンをますます目にするようになっています。それは、渡航前に大使館の公式サイトではなくAIチャットを開き、ビザが必要かどうかを尋ねるというものです。回答は数秒で返ってきて、自信に満ちた内容に見えます。
この1年で、こうした回答のいくつかが誤りであったことが判明しました。空港で引き返さざるを得なくなったり、急遽航空券を変更したり、金銭的な損失を被った方もいます。ここでは3つの事例を取り上げ、現在ビザを計画している方(インドネシア向けを含む)がどうすべきかを説明します。
プエルトリコ:必要なのはビザではなくESTA
2025年8月15日、スペイン出身の旅行者カップルの話がSNSで拡散されました。二人はプエルトリコ行きの便への搭乗を拒否されたのです。カップルによると、渡航前にAIへビザが必要かどうかを尋ね、「不要」という回答を得ていたとのことです。
形式的には、その回答は完全に間違っていたわけではありません。スペイン国民がプエルトリコ(米国領)へ入国する際、ビザは確かに不要です。しかし、米国のビザ免除プログラム対象国の国民に義務付けられている電子渡航認証ESTAが必要です。この条件についてAIは説明しておらず、カップルはチェックインカウンターで初めてそれを知ることになりました。
ここでの誤りは事実そのものではなく、回答の範囲にあります。質問はビザについてであり、回答もビザについてのものでしたが、フライトを台無しにした要件がその回答に含まれていなかったのです。
北マケドニア:ビザ確認のミスで5万ルーブルの損失
2026年6月15日、子供の多いロシアの家族が北マケドニアへの旅行を計画していました。航空券を購入する前に、世帯主はAIにロシア国民にビザが必要かどうかを尋ね、書類は不要であるという回答を得ました。
イスタンブールでのチェックイン時、航空会社の担当者はビザまたは電子許可証の提示を求めました。報道によれば、これらは2022年3月以降、ロシア国民に義務付けられているとのことです。ルートを急遽変更し、ロシア国民が査証なしで入国できるボスニア・ヘルツェゴビナへ向かうことになりました。今度は情報を事前に公式サイトで確認しました。旅行が中止になったことによる損失は5万ルーブルに上りました。
象徴的なのは、2つ目のルートがうまくいったのは、再びチャットボットにではなく、一次情報源と照合したからだという点です。
チリ:AIが見落としたビザ
2025年3月27日、オーストラリア出身の旅行者がAIにチリ渡航のためのビザが必要かどうかを尋ね、「不要」という自信ありげな回答を得ました。彼は航空券を購入しましたが、出発することはできませんでした。
空港で判明したのは、ビザは大使館のサイトを通じて事前に取得する必要があり、その手続きには最大20日を要するということでした。原因は古いデータにあります。オーストラリア国民のチリへの90日以内の査証免除入国は2019年末まで適用されていましたが、それ以降ルールは変更されています。AIの回答は、どうやら以前の条件のままだったようです。
この事例では、問題は質問にも回答そのものにもなく、その回答がいつの時点で正しかったのかという日付にあります。公式情報源にはそうした日付の制約はなく、常にその時点での最新の状態が示されています。
なぜAIはビザに関して誤りやすいのか
この3つの事例はいずれも、技術的な不具合ではなく、AIがこの種の質問にどう答えるかという特性によるものです。
モデルは特定の時点で区切られたデータで学習されています。ビザのルールはモデルの知識ベースが更新されるよりも速く変わるため、回答は2019年時点では正しくても2025年時点では誤りとなることがあります。「ビザは必要か」といった短い質問も精度を下げる要因です。その回答は国籍、渡航目的、滞在期間、渡航先の地域的な位置づけによって変わるものであり、プエルトリコの事例が示すように、一般化された表現ではそのすべてを同時に考慮しきれないことがあります。
もうひとつの問題は口調です。AIは、実際にはどの程度自信を持っているかにかかわらず、常に同じように自信を持って回答を組み立てるため、公式情報源からの確認と混同されやすくなります。そして回答が結局誤りだった場合、その結果に対処するのは旅行者自身です。チャットボットが航空券代を補償したり、ビザを取り直してくれたりすることはありません。
インドネシアのビザにも同じリスクがある
インドネシアへの入国ルールも年間を通じて変更されます。査証免除およびe-VOA対象国のリスト、KITASの種類、延長条件は、年に数回改定される政令によって規定されています。ここでも、自信ありげでありながら一般化されたAIの回答は、プエルトリコ、マケドニア、チリの事例とまったく同様に、古くなったり条件を見落としたりする可能性があります。
国境や延長手続きの場面では、こうした誤りの代償は予定が狂うことにとどまりません。罰金、国外退去、あるいは今後の同国への渡航に関するブラックリスト入りのリスクを伴います。
ビザ要件の確認方法
渡航先の大使館、領事館、または入国管理当局の公式サイトを確認してください。これはブログやまとめサイトではなく、一次情報源です。
航空会社にも要件を確認してください。航空会社は必要書類を持たない乗客を搭乗させた責任を負う立場にあり、チェックインカウンターで真っ先に確認される事項でもあります。
AIの回答は目安として扱い、航空券購入前の最終的な情報源とはしないでください。
インドネシアのビザ規則を日々扱い、その変更を追っている専門家にご相談ください。
インドネシアでビザ、KITAS、滞在延長をご検討中で、AIによるものを含め、入手した情報が最新かどうか確信が持てない場合は、弊社までご連絡ください。お客様の状況に応じた要件を確認し、事前に何を準備すべきかをご案内いたします。これにより、時間、労力、費用を節約できます。フライトが台無しになった後でそれらを取り戻すのは、はるかに困難です。
Legal Indonesia ディレクター
Patricia Christy













