バリ島の死亡事故:刑事事件を回避できた事例

インドネシアでは、一度の重大な交通事故が短期間で刑事手続きに発展することがあります。警察が関与した場合、外国人にとっては裁判だけでなく、実刑という結果に至る可能性もあります。
まさにこうした状況で、あるお客様が弊社にご相談くださいました。
何が起きたのか
激しい雨の中、運転者が車のコントロールを失い、対向車線にはみ出して事故が起きました。弊社のお客様は現場を離れず、救急車を呼び、入院費用を負担し、責任ある行動をとりました。
しかし残念ながら、しばらくして被害者の方が負傷により亡くなられました。その後、警察による正式な捜査が始まりました。
インドネシアにおいて外国人がこうした状況に置かれた場合、ほぼ必ず刑事事件になるリスクを伴います。
すぐに行うべきだったこと
弊社の役割は「法を回避する」ことではなく、法的な立場を正しく組み立て、結果として生じる不利益を最小限に抑えることにありました。
このようなケースでは、被害者のご家族との対話が決定的に重要な意味を持ちます。インドネシアの法実務は、調停と当事者間の和解に大きく依拠しています。
話し合いは警察署で行われました。責任を逃れようとしているのではなく、起きてしまった事態を真摯に受け止め、ご家族を支える意思があることを示すことが重要でした。
結果
話し合いの結果、当事者は和解の条件について合意し、相互に請求を行わない旨の書面による合意書に署名しました。
この書面はきわめて重要な意味を持ちます。和解が成立した事実を証明し、被害者側が引き続きの訴追を求めていないことを記録するものだからです。
合意書への署名後、警察は刑事事件としては立件しないこと、本件を事故として扱うことを正式に確認しました。
適切な法的サポートがあれば、被害者のご家族と話し合い、相互に請求を行わない旨の合意書を取り交わし、裁判に至る前に紛争を解決できることが少なくありません。
ただし、こうした状況でご自身だけで行動すると、かえって状況を悪化させかねない点は理解しておく必要があります。不適切な言葉や「直接話をつけよう」とする試みが、望ましくない結果を招くこともあります。
紛争が深刻な法的問題に発展しかねない状況に置かれた場合は、警察対応の実務と現地の法的な解決手段を知っている弁護士に、できるだけ早く相談することが重要です。
Legal Indonesia 法務部門エキスパート
I Gusti Ayu Bitari Karma Gita













